哺乳瓶とおしゃぶり
近年、乳歯列でも歯並びの悪い子が増えてきました。色の欧米化が進み、柔らかくて美味しいものが増え、よく噛まなくなったことが原因のひとつと言われています。
しかし、歯並びに悪い影響を出しているのは、“歯が生えてからの食事”だけではありません。
◇日本人のライフスタイルの変化◇
現代は核家族化が進み、夫婦共働きの家庭が一般的になってきました。
このような日本のライフスタイルの変化から、哺乳瓶やおしゃぶりに頼らざるを得ない場面も増えてきています。そして、その際に大切なのは、おっぱいを吸うよいう動作が「栄養を摂る」だけでなく、「顎の発達にも大きく関わっている」ということを知っておくということです。
◇赤ちゃんの顎の発達を促す正しい授乳法◇
赤ちゃんは、口に触れたものに吸い付く「吸啜(きゅうてつ)反射」という本能を持って産まれてきます。これは原始反射と言われるもののひとつで、他には「探索(たんさく)反射」、「咬(こう)反射」などがあります。生まれたばかりの赤ちゃんが、すぐにお母さんのおっぱいを据えるのは、これらの「本能」があるからです。
そして授乳のときに気をつけたいのは、しっかり「深飲み」させることです。そうすることで、ベロの力が上あごに上手く伝わり、正しい顎の発育を促します。
◇おしゃぶりと歯並び◇
「おしゃぶりが歯並びを悪くする」という話を聞いたことのある親御さんもおられるかもしれません。しかし、0歳代の赤ちゃんにおしゃぶりを使っても将来の歯並びに悪い影響はありません。おしゃぶりが歯並びにとって良くないのは、奥歯の生えてくる1歳半を過ぎての使用です。1歳頃から使用頻度を減らしていき、1歳半の卒業を目指せば、特に心配いらないのです。
かつての日本では「おしゃぶりは育児の手抜きだ」と言われていた時代もあるようです。しかし、時代は変わりました。寝る前の機嫌の悪い時や外出先でぐずるときなど、おしゃぶりの助けを借りることは、決して悪いことではありません。
◇木村歯科医院からメッセージ◇
歯の生えていないうちからの習慣が、将来の歯並びや骨格に大きく影響します。販売されている哺乳瓶やおしゃぶりの中には、正しく吸わせたお母さんの乳首と同じ形をしていて、お口の発達を促すことに特化したものもあります。是非一度、哺乳瓶やおしゃぶりの選び方について、木村歯科医院に相談にいらして下さい。